席に着き、珍しくも勉強していたのだが ふと見上げると、向かいのおじさんが 何やら鼻をほじっているのが見える。 それもただなにげなくほじっているのではなく、猛烈にほじっている。 ほじり尽くしている。熱き魂を刀に注ぐ職人のように。 これはもう命を懸けた鼻くそほじりだ。 ただただ情熱的に打ち込むところからみて この方は生粋の鼻穿り人、ホジラーなのではないか? そう考えられる。 ~30年前~ 訓練場にて おじさんの父(以下おじ父)「脇が甘い!リズムを保て!」 小さい頃のおじさん(以下小おじ)「ホジホジホジ」 おじ父「よし、今日はここまで」 小おじ「ふぅ・・親父。 俺も親父みたいな凄いホジラーになれるかな・・?」 おじ父「ホジラーの道は決して甘くはないぞ。 お前はどんなホジラーになる?」 小おじ「当然俺は最強のホジラーになるんだ!昔の親父みたいに!」 おじ父「ハハハ、最強のホジラーか(笑) (だが、最強よりも、もっと強いものがあるのだぞ・・)」 小おじ「笑うな!それより腹減った!早く帰って飯にしよう!」 おじ父「そうだな。 じゃあ今日は俺が腕をふるった特製手料理を食わしてやる!」 小おじ「やったー!親父の手料理は最高だからな!」 おじ父「当たり前だ!さあ帰るぞ!」 おじ父&小おじ「ハハハハハ」 ~10年後~ 小おじ「親父!親父ぃ!!」 おじ父「....」 小おじ「くそ!どうしてこんな事に!!」 おじ父「...道を....歩むべき道を....違えた罰..かもな....」 小おじ「何を!親父は伝説のホジラーと言われ 皆の憧れだったじゃないか!!」 おじ父「..いいか....ホジるとは....追求する...ことだ....グリッ」 小おじ「親父・・!?」 おじ父「..お前の...幸せを....グリグリッ」 小おじ「馬鹿な!それ以上は禁断の領域!! 親父・・まさか・・・!!??」 おじ父「ふ...俺も焼きが回ったようだな.....だが....お前なら....グリグリ」 小おじ「親父!駄目だ!!やめるんだ親父!!!」 おじ父「お前ならきっと....真の...ホジラーに...な.....れ......ブシュー」 小おじ「親父ぃぃぃぃいいい!!!!」 ~20年後~ おじさん「あの日から、俺は血の滲む訓練を重ね いつしか最強のホジラーと言われるまでになった。ホジホジ だが、まだ一つだけ答えが出ない。 ひたすらにホジっていてもこれだけは見つからない! 親父よ!・・真のホジラーとはなんだ!?ホジホジホジ 俺も道を踏み外したというのか親父よ!!ホジホジホジホジ」 子供「ぉ・・じ・・!」 おじさん「・・ん?ホジホジ」 子供「親父!いつまでホジってんだ!」 おじさん「なんだ・・お前か」 子供「なんだじゃねえ!それより腹減ったぞ!早く帰ろうぜ!」 おじさん「・・・!?」 子供「どうした親父?」 おじさん「(ああ・・そうか・・・)」 おじさん「・・じゃあ、今日は俺が腕をふるった特製手料理を食わしてやる!」 子供「えー、親父料理下手じゃねえか!」 おじさん「何言ってやがる!さあ帰るぞ!」 子供&おじさん「ハハハハハ」 おじさん「(・・親父、もしかして俺はもう真のホジラーに・・・)」 などと考えて ノートに色々落書きしていたら いつの間にか日が暮れていて 閉館になりそうだったので帰って来た。 俺もおじさんを見習って頑張ろう、明日から! |