今年の夏に職場の敷地内でヒヨドリのヒナを拾ってきたんですよね。
その時はどうせ助からないだろうと思っていたのですが、家族の世話もあってすくすく育ったんです。
とにかく近付くとピーピー鳴いて、くちばしを大きく開けてエサをねだるんですよね。
エサは小鳥用の小松菜のペーストに林檎をすりおろしたものを混ぜたりしてピンセットで与えていました。
そのうち巣だっていくものだと思っていたのですが、体が大人になっても何故か頭がヒナのままで、ずっとエサをねだっていました。
まさに不思議なマスコットです。
小鳥は一度にたくさん食べられないので、ちょっと食べたらすぐにお腹がいっぱいになるんです。でもすぐにまたお腹が減ってピーピー騒ぎ始めるんです。
お腹をすかしてピーピー言いながらくちばしをめいいっぱい開ける割には、エサをちょっと食べるとくちばしをがっちり閉じて無口になり、いくらピンセットでエサを与えようとしてもくちばしを開けてはくれないんです。
そのギャップが可愛かったりもします。
また大人になってからピーピー鳴かれると、ヒナの鳴き声の時よりも甲高くて、家の何処にいても「今お腹が減っているんだな」と分かるんです。
結構な大食漢で、澄ました顔して大粒のぶどうをペロリと平らげてしまうんですよね。もちろん数回に分けてですが。
まさにお犬様ならぬ小鳥様状態です。
もうすっかり家族の一員で、鳴かれてもちっともうるさいとは思わなくなっていました。
家族みんなの情も移っていたのですが、昨晩息を引き取りました…。
ちょうど三ヶ月間家族でいてくれましたね。
エサを絶やすのはまずいので、生まれ故郷である私の職場の、何故か机の引き出しにしまってエサを与えた事もあれば、実は今年の8月に福島の家に行った時も向こうにいました。8月の日記を打っている時隣でピーピー鳴いていました。行きは母親が鈍行で連れて行き、帰りは私と母親と3人で新幹線で帰ってきたんです。
今となってはいい思い出です。
これからの季節、ヒヨドリがピーピー外でさえずるのを聞くと、ピーちゃんを思い出すんでしょうね。
あんなに騒がしかった家も今は静まり返ってます。
何だか妙にさみしいです。
写真は一昨日のピーちゃんです。
「ピーちゃん安らかに」と祈るばかりです。
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