「チェ 28歳の革命」を観てきました
ゲバラの愛称"チェ"とはアルゼンチン人が親しみを込めて「ねぇ君」と呼びかける時の口癖だそうです。
~1955年7月、アルゼンチン人医師のエルネスト・ゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)はメキシコで祖国キューバに革命を起こそうとしていたフィデル・カストロ(デミアン・ビチル)と出会い、参加を決意する。
翌年末、わずか82人でカリブ海を渡り、1959年1月に勝利するまでの約2年間、"チェ"・ゲバラは闘争に身を投じていくが、革命への道は容易ではなかった。
祖国か、死か!?~
まず、映画の形式ですが、ドキュメンタリータッチな戦争映画でした。1964年12月、ニューヨークでの国連総会のスピーチ前後のシーンと同時進行していきます。
この世代の人間ではないし、世界史もキッチリ勉強していなかったので、政治的なセリフを理解しながら読んでいくのは少しキツかったですが、逆に吹き替えならもっとしんどかった気がします。だからといって難しく思うことはないと思います。ゲバラの心が伝わってきますから。クライマックス、サンタクララでの激戦はハラハラものでアクション面でもおもしろいですし。
監督はスティーブン・ソダーバーグなので、どこかヨーロピアンな仕上がりで好き嫌いが分かれるでしょうが、デル・トロのゲバラはカンヌ男優賞受賞しただけあって素晴らしいです7年も企画温めてた情熱が伝わってきます。
この作品はほぼ100%が実話ですが、日本人(特に現代の)はゲバラが何をした人物か知らないことでしょう。彼が今なおTシャツにまでなっているのは、革命家として医師として、そして一人の父として夫として男として、多くの著名人がアイコンとして掲げるカリスマ的存在だからなのです
キューバは米国を始めとする国々の経済制裁を受けているため豊かではありませんが、人々の心は豊かで平和です。農業が優遇されていて、教育・医療はタダ社会主義国ですがロシアや中国のように厳しい情報統制がされているわけでもありません確かに、革命の過程で多くの命が失われたことはゲバラやカストロを中心とした者たちの罪でしょう。しかし、綺麗事だけで打開できないことがあるのもまた事実彼らの行いが間違っていた等と誰が言えるでしょう。
こんなエピソードがあります…1959年7月、彼は日本を訪れた際、真っ先に広島へ行き、原爆の悲惨さを目に焼き付け、帰国して教育に取り入れました。今でもキューバの子ども達は8月6日が何の日か知っています。
既に公開中ですが、PART 2「チェ 39歳 別れの手紙」へと続きます。
もっとゲバラを知りたいという方は「モーターサイクル・ダイアリーズ」をオススメします(自分は未だ見てないですが)この作品以前、ゲバラが医学生時代に友人とバイクで南米を旅する話です。
公式サイトhttp://che.gyao.jp/ |