子供の頃だからもう30年位前、 歴史上の偉人賢人の功績をわかりやすく30分のアニメにして放送する番組があった。 テレビが友達だった私は毎週その番組を楽しみにしていた。 その番組でフィンセント・ファン・ゴッホを取り上げた回があった。 番組では当時の定説である 「精神に異常をきたして自らの耳を切り落とした」とか 「最後は拳銃で自殺した」と。 その衝撃的な内容と番組内で紹介した包帯を巻いた自画像。 小学校低学年位だったかと思う。 両親は共働きで21時を過ぎないと帰宅しない。 独りでテレビを見ていた私はとても怖くて心細くて。 それがちょっとしたトラウマみたいになり、大人になるなでゴッホの絵を見るのが嫌いになってしまった。 BSジャパンで「ゴッホ 最後の70日」の再放送をやっていた。 初回放送を見逃してしまっていたので「楽しみ」とはいわないが期待して見た。 番組での解釈は推測の域をでない、が、 最後の最後まで周囲の人や身内をかばい続け、真相を墓場まで持っていってしまう。 少なくとも私が抱いていたゴッホへの誤解がすっきりと解けたような気がする。 番組で取り上げた「ドービニーの庭」の黒猫。 消されたのは黒猫じゃなくて、人間の浅ましさじゃないかと。 新しい視点でゴッホの絵を見たくなった。 |