【AFP=時事】2009年5月に行われた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2008-09)準決勝第2戦でのFCバルセロナ(FC Barcelona)の勝利は、同クラブの地元でベビーブームを巻き起こしたといわれている。
そしてこの度、その効果は通説よりもかなり薄かったものの、本当にベビーブームは起こっていたことが研究の末、明らかになった。
この試合でバルセロナは、アンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)が後半ロスタイムに劇的な勝ち越しのゴールを挙げてチェルシー(Chelsea)を退け、決勝に駒を進めた。
そしてその3週間後に行われた頂上対決で前シーズン王者のマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)を下し、バルセロナはチャンピオンズリーグのトロフィーを手に入れた。
一部メディアの報道によると、この準決勝第2戦の9か月後、カタルーニャ(Catalonia)地方の出生率は45%も上昇したという。
この度、その「イニエスタ世代」の存在が真実なのかそれとも誇張なのかを明らかにするため、バルセロナ市を拠点とする保険統計学のチームが調査を実施し、その結果をまとめた論文が「イギリス医師会雑誌(British Medical Journal、BMJ)」に掲載された。
チームはこの調査で、カタルーニャ州中心部スルスネス(Solsones)郡とバジャス(Bages)郡における2010年2月と3月の出生数を確認した。
すると、2月には前年同月よりも26人多い新生児が生まれていたことが判明。これは前年比16.1%の上昇で、報じられている45%には及ばないものの、「相当な」増加があったことを示した。
また続く3月の出生率は、前年の同月よりも11.0%増えていたことがわかった。
マンレザ医療ネットワーク(Xarxa Assistencial Universitaria de Manresa)のヘスス・モンテシノス(Jesus Montesinos)氏が主幹した今回の論文は、景気の低迷が出生率の低下を引き起こし、多くの夫婦が子どもを作らないと決めている近年のスペインで、この勝利がもたらした興奮が生殖活動の活発化につながった可能性があると論じる。
また、調査結果からは複数の解釈を導き出すことができるという。
「そのひとつが、大規模な人間の感情が、人口の変動に甚大な影響を与え得るということ。そして国家的、あるいは地域的なイベントは理性の支配力を減らし、感情の支配力を高めるという点だ」
こうした事例がなぜ、どのように起こるかを理解することは、人口問題に対する有益な救済策に繋がると調査チームは主張する。そしてやや冗談めかしながら、さらなる調査が必要だと述べた。
「観測データと試験データの差を埋めるためにも、イニエスタ氏がこうした行為の再現に意欲を示してくれれば、大きな助けになるだろう」
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